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【第十九回】 "a" びっくり

2020.3.17


だいぶ暖かくなり桜の花も咲き始め春らしくなってきましたが、晴れやかな気持ちになれるにはまだ時間がかかりそうですね。


さて、今回は "a" について少し考えてみたいと思います。
まずはこの英文をご覧ください。

“If you can imagine it, it’s a possibility.”

先日検索サイトで調べものをしていて、うっかりこの文を「検索」ではなく、「翻訳」してしまったところ、「あなたがそれを想像することができれば、それは可能性です」という訳文がでてきました。
ちゃんと訳されているようにも見えますが、これでは何だか意味が分かりません。
特に抜けているところもありませんね。
"a" の訳がありませんが、不定冠詞の "a" は基本的には、「1つの」「1人の」という意味を表し、いちいち訳す必要はないとされていて、機械翻訳でもこのルールを守り、訳文には表れていません。
しかし、この英文を理解するうえで大事なところは、"a possibility" の "a" です。
"possibility" に "a" が付いているので、「可能性」という抽象的な概念ではなく、具体的な事柄を表しています。
つまり「可能な事柄」とか「実現できる物」です。

「想像できるのであれば、それは実現可能な事柄です」

つまりこの英文は、「想像できることなら、実現可能だ」ということを言っています。
似たような文に、

“If you can imagine it, it’s possible."

とか

“If you can imagine it, you can achieve it."

とかいうのがありますが、これならわかりやすいですね。

さて、"a" の少し変わった用法としては、次のような例もあります。
『A Room with a View (1986)』『眺めのいい部屋』の中のこんなセリフです。

"As something you own. A painting, a Leonardo.
I don't want to be a Leonardo,
I want to be myself. "

ここの "Leonardo" は、Leonardo da Vinci(レオナルド・ダ・ヴィンチ)の Leonardo です。
では、固有名詞になぜ "a" が付いているのでしょうか。
そうです、上と同じで、具体的な物を表しているからですね。
つまり、Leonardo da Vinci の作品です。
英文の意味は、

「あなたのコレクションに加えられるのは嫌。私はダ・ヴィンチの絵ではなくて、自分自身でいたい。」

ということです。ダ・ヴィンチの絵をコレクションに持っている人なんて想像もつきませんが。
ちなみに、Leonardo da Vinci、日本語では 「ダ・ヴィンチ」 と縮めますが、セリフでは、"Leonardo" となっています。
Leonardo da Vinci とは、直訳すると「ヴィンチ村のレオナルド」という意味なので、"da Vinci" というと「ヴィンチ村の」という意味にしかならないからなのでしょうか。

さて、人名に "a" が付く例をもう一つ。
「Mr./Mrs./Miss+人の姓」の前に "a" が付くと、「~さんという人」という意味になります。
高校で習った頃はいわゆる受験英語かと思っていましたが、留学中に "A Mr. Yamada called you while you were out." という伝言を実際に聞いて「ア、びっくり!」と言ってしまったのを思い出しました(駄洒落ですが実話です)。
最後にもう一つ、Mr. とかを付けないで人名に直接 "a" を付けると、「~家の人」になります。
He is a Trump. だと、彼はトランプ家の人だ、という意味ですね。

以上、「"a" びっくり」でした。


それではまた。よさこい。よさこい。

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