tosa

【第十一回】 「は」と「が」

2018.11.07


今回は「は」と「が」について少し考えてみたいと思います。


「は」と「が」についてはよく「既知」と「未知」の区別が話題になります。

むかしむかしあるところにお爺さんとお婆さん「」住んでいました。 -- (1)
お爺さん「は」山へ芝刈りに、お婆さん「」川へ
洗濯に..........?? -- (2)

(1)では、お爺さんとお婆さんは初めて出てくるので未知を表す「
(2)では、お爺さんとお婆さんは既に話題に出ているので既知を表す「
というような説明がされます。

今日はそれに加えて「は」と「が」の係り先ということを考えてみたいと思います。

次の例を見てください。

1. おじいさんは病気なので、病院に行きました。
2. おじいさんが病気なので、病院に行きました。

さて問題です。それぞれの例で病院に行ったのは誰でしょうか。

答えは、1. ではお爺さん、2. ではたぶん「」です。

なぜかというと「は」は主節の述語に係り、「が」は従属節の述語に係るからです。

つまり、1. は「おじいさんは病院に行きました」
2. は「おじいさんが病気」という係り方になります。

さてそうなると 2. では「病院に行きました」の動作主(主語)がなくなってしまいます。
そして日本語では主語の「私」を省略することが多いことを考えると、
「病院に行きました」の主語はたぶん「私」であろうと推測できます。

こう考えてくると、さらに「おじいさん」の意味も 1.と 2.では違うように思います。
1. の「おじいさん」は自分の祖父ではないどこかの老人、2.ではわざわざ「私」が会いに行く くらいなので、たぶん自分の「祖父」だろうと思います。

さて、これをちょっと機械翻訳にかけてみるとどうなるでしょうか。

1. おじいさんは病気なので、病院に行きました。
?? Because he was sick, grandfather went to the hospital.

2. おじいさんが病気なので、病院に行きました。
?? Because grandfather was sick, I went to the hospital.

こんな感じです。機械でも「は」と「が」の係り先は判別できるのですね。

でも「おじいさん」の意味の違いはわからないようです。

さらに、「病院に行きました」も、"he went to see the doctor" とか、

"I went to see him in the hospital" とかにしないといけないのでしょうができていません。

あ、機械に「は」と「が」の係り先を当てられてしまったのでついむきになってしまいました。

ところで、最初の例文
むかしむかしあるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。
を機械翻訳してみると、

Long, long ago in a certain place an old man and an old woman lived.

となりました。
赤の他人が一緒に暮らしていたわけではないので、英語では
?... an old man and his wife lived in a....
でないとおかしいですね。

老人と彼の妻」ですか...一気に昔話の雰囲気が飛んでしまいました。

やはり言葉は難しい。


それではまた。よさこい。よさこい。


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