tosa

【第六回】 will

2018.03.28


will についてはいろいろ混乱させられた思い出があります。


中学校の頃、will は「未来時制」に使われ、未来は日本語で「でしょう」と訳すと教えられ、

It will rain tomorrow.

は「明日は雨が降るでしょう」
と習ったような気がします。

なぜ「でしょう」が未来を意味するのか、推測ではないのか、子供心にとても不思議に思ったのですが、テストで悪い点数を取るのも嫌なので WILL=でしょう、と教えられるままに覚えました。


混乱その 1 は、

It will be snowing in the mountains NOW.

という文を見たときです。
未来なのになぜ NOW があるのだろうと思い、調べてみると図書館で「英語には未来時制がない」という記述を見つけ、当時使っていた「実例英文法」の目次を見ると「現在時制」と「過去時制」という項目はあるのに、未来に関しては「未来を表す表現」となっていることに改めて気付き「ああ、そういうことだったのか」と納得しました。ただし、WILL=でしょう、という鉄のルールはそれでも健在で、これを使えば、

It will be snowing in the mountains NOW.
「今頃山では雪が降っているでしょう」

It will be snowing in the mountains TOMORROW.
「明日山では雪が降っているでしょう」


の両方で点数が取れるので便利でした。
ただしこれはあくまでテストでのお話で、日本語の未来は「ル形」で表すというのは前回お話ししたとおりです。

さて次に悩まされたのは BE GOING TO との違いです。

「WILL」と「BE GOING TO」 は同じ意味だから、とさんざん書き換え問題をやらされた挙句、今度は意味が違うのだと言われ、詳しい文法書を見るとその違いについていろいろ書いてあります。

現在なら、皆さんはインターネットでいろいろ調べるのかと思います。今回、私もこの記事を書くにあたって 「WILL」と「BE GOING TO」 について検索してみたところ、ネット上にはとんでもない説明がごろごろしていてびっくりしました。
他人の悪口を言うのも何ですが、皆さんが無駄な時間を使わなくて済むようにひとつ紹介しておきます。
概略次のような説明です。

「willの意味は話し手の客観的な判断を表し、be going toは根拠があって未来のことを推測したり主観や確信を表します。
よって、It will rain tomorrow. という文は、根拠も無く単に明日雨が降るということを推測していることになります。
be going to を用いた It is going to rain tomorrow. は、空の雲の様子などの何かの根拠があって明日雨が降るということを推測していることになります。」


すごいですね。WILL は客観的な判断だと言っておきながら、It will rain. は根拠のない推測だ、という論理の流れは到底理解できませんが、ここまで論理が破綻していると騙される心配がなくて良いのかもしれません。

私が米国人の友人に聞いたところによると、

「It will rain tomorrow. は、はっきりした言い方なので、普通の会話では使われず、お天気キャスターや気象台の人などに使われます。明日の天気を聞くときも、知っているはずのない友人に Will it rain tomorrow? などとはほとんど聞きません。」

とのことでした。
天気予報を「根拠なし」とするとは、先のウェブの解説を書いた人はよほど天気予報に恨みでもあるのでしょうか。

さて、WILL と BE GOING TO の違いについては、正しい説明、解説、怪説、珍説がネットにあふれていますが、私が翻訳の際に役に立つと思うのは、「WILL は発話の時点で決まった未来のことがら、BE GOING TO は発話時点で既に決まっていた未来のことがらを表す」という説明です。


それが何に役立つかというと、例えば
「明日お昼を一緒に食べよう。」と太郎に誘われた花子が、

"I will have lunch with Jiro tomorrow."
と言った場合と

"I am going to have lunch with Jiro tomorrow."
と言った場合の違いの説明です。

先のウェブの解説によれば、WILL は客観的な事実だが、BE GOING TO は主観を表すので、

"I am going to have lunch with Jiro tomorrow."

「私はあなたじゃなくて次郎と行きたいの」という気持ちが表れている、とでも言うのでしょうか。。。。

再び私の友人に登場願えば、
BE GOING TO は発話時点で既に決まっていたことを表すので、
"I am going to have lunch with Jiro"
「(ごめん)明日は次郎とお昼に行くことになっているの」
という優しい断り方になります。
一方、WILL を使うと、
「明日はあなたじゃなくて、次郎と行くわ」
と、ちょっと厳しい返事になるということです。

混乱その 3 は、「will」と「shall」でしたが、長くなったので今日はこれまでにします。これもネットにたくさん出ていますので、時間のある方は調べてみてください。でも「怪説」がとても多いのでお気を付けて。

怪説 web 見極めのコツは、英語の例文が少なくて、日本語での説明が長いこと。「ニュアンス」という言葉を頻繁に使い、なぜそうなるかの根拠が示されていないこと、です。

それではまた。よさこい。よさこい。

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