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【第一回】 「テイル」

2017.9.28


標準語の「~テイル」には、進行の意味と完了の意味があり土佐から出てきた当初は戸惑うことがありました。
ある日、翻訳仕様の件で不明点があり、先輩社員に尋ねたところ、こんな返事が返ってきました。


「その点についてはお客様に確認しています。」

この返事を見たとき、お客様に確認済なのか、現在問い合わせ中なのかまったくわかりませんでした。

「テイル形」は、動きが継続しうる動詞につけば継続、状態変化を表す動詞につけば結果を表すと「されてい」ます。
たとえば「消える」などのように一瞬で動作が終わる動詞であれば、「消えている」が完了であることはわかりますが、上の例ではどちらかわかりません。

そもそもこの「テイル」に悩まされたのは、土佐弁には継続と結果を表す別々の言葉があるからです。土佐弁では「ゆう」と「ちゅう」を使って区別します。

1. もしお客様に現在確認中であれば、

「その点についてはお客様に確認しゆうがです。」

2. お客様に既に確認済みであれば、

「その点についてはお客様に確認しちゅうがです。」

といいます。

困ってしまった私はその先輩に「土佐弁と違うのでどちらかよくわかりません。」と恐る恐る尋ねたところ、「あ、よく考えたらどっちか分からない文ですね。確認済のつもりでした。」と言われ、「テイル」は曖昧なのだと安心しました。

ふだん何気なく使っていると思われる「テイル」ですが、
皆さんも「テイル」を使うときは、誤解を招かないか一度立ちどまって考えてみてはいかがでしょうか。

さて、「テイル」の話をしていたら英語の現在完了進行形のことを思い出しました。

It has been raining since yesterday.

昨日からずっと雨が降っている。

高校時代から慣れ親しんだ例文です。

では、この文から、since yesterday を外して、

It has been raining.

になると、意味は

ずっと雨が降っている。

になるのでしょうか。

カナダに留学した時に授業で聞いたのですが、

現在完了進行形の It has been raining. が表す状況は、

「雨は直前まで降り続いていたが、現在ただ今、雨は降っていない」のだそうです。

これに、"since yesterday" や "for two hours"
が付くと「現在も降って」いてよいし、昨日から降り続いていて、発話の直前に止んだ場合でもよい(昨日からずっと雨が降っていた)ことになるそうです。

It has been raining since yesterday.

のおかげで、長いこと勘違いをしていましたが、現在完了進行形は、「進行形」ではなく、あくまで「完了形」だったことに気づかされて驚きました。

ちなみに土佐弁では It has been raining. のような状況を表すのに、「雨が降りよった」と言いますがこれは

It was raining

でも「雨が降りよった」と言うので各時制に一対一で対応する訳文がないところがまた難しいところです。

ではまた次回。よさこい。 よさこい。

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